令和4年度東京サーキュラーエコノミー推進シンポジウム

東京都は、「2050年CO2排出実質ゼロ」を実現するため、サーキュラーエコノミーへの転換・資源循環を促進することとしています。

本シンポジウムでは、事業者と自治体の連携促進をテーマとし、有識者の特別講演、事業者と自治体の連携によるサーキュラーエコノミーの取組事例を発表いたします。


開催概要


主催

 東京都環境局

 公益財団法人東京都環境公社

開催期間

 令和4年11月25日10時から12月16日17時まで(エコプロオンライン展開催期間)

対象

 サーキュラーエコノミーに関心のある方

参加費

 無料(要申込)


プログラム


特別講演

-ネットゼロ社会実現のための水平リサイクル

石川 雅紀 様

叡啓大学ソーシャルシステムデザイン学部特任教授

神戸大学名誉教授・工学博士

NPO法人ごみじゃぱん代表理事

▼講演趣旨

2050年ネットゼロ社会を実現するためには社会全体の変革が必要です。この中で、プラスチックのマテリアルフローの制御は非常に重要です。現在使われているプラスチックのほとんどは、その構成要素の大部分を化石燃料起源の炭素であり、使用済みとなった後、焼却されると温暖化ガスを排出することになるからです。現在は使用済みプラスチック製品の大部分は、焼却、エネルギーリカバリーで処理されているが、これらはどちらもネットゼロ社会では競争力を失っていることが想定されます。本講演では、プラスチックのリサイクルとネットゼロ社会の関係を説明し、製品のリサイクルにおける炭素歩留まりの重要性を述べます。

▼プロフィール

東京大学工学部化学工学科を卒業し,博士課程まで進学,卒業論文から一貫して環境の研究。東京水産大学食品工学科助教授、神戸大学経済学研究科教授を経て,2021より現職。

-『パートナーシップで循環経済を実現しよう』~官民連携で取り組むヒント~

関根 久仁子 様

環境カウンセラー(事業者部門)

▼講演趣旨

SDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)や2050年のカーボンニュートラル達成に向け、世界中で、経済界や社会全体を巻き込んだ循環経済への転換が必要となっています。循環経済の実現においては、官民連携のパートナーシップで取り組むことが近道です。官民連携のメリットや取り組みを推進する上でのヒント、推進プロセスなどを紹介いたします。人と人のつながりを大切にしながら、行政・民間・市民がWin・Win・Winに楽しく取り組める仕組みづくりに挑戦していきましょう。

▼プロフィール

スターバックスで約12年間環境担当として従事し、コーヒー豆かすリサイクル等3R、倫理的な調達・環境教育などを推進。海洋プラ問題に取り組むITベンチャーを経て、2020年より独立し、企業や自治体のSDGs・環境の取組の支援に取り組んでいる。特に、官民連携による地域資源循環促進に注力、東京サーキュラーエコノミー推進センター(顧問)、埼玉県プラスチック資源の持続可能な利用促進プラットフォーム(アドバイザー)、港区3R推進行動会議(委員)、神戸プラスチックネクスト詰め替えパックリサイクル(事務局)他、自治体主催の環境啓発事業支援などを行う。第4回環境カウンセラー環境保全活動表彰で循環型社会貢献賞(事業者部門)を受賞。

事例発表

– 自治体とのペットボトルの資源循環の取組

加治木 浩則 様

一般社団法人 全国清涼飲料連合会 企画部 

▼講演趣旨

自治体と連携して、ペットボトルの資源循環の実証活動や教育啓発をすることで行動変容を促す取組をご紹介します。

– たのしくハブラシリサイクル!について

中川 敦仁 様

ライオン株式会社  サステナビリティ推進部 副主席部員

▼講演趣旨

日用品メーカーにとって、プラスチック資源循環社会への対応は、今後の事業の形を大きく変えるインパクトを有しています。 ライオンでは使用済みハブラシの回収・再生プログラムを行っています。この取り組みの中で、回収量の拡大、再生技術の高度化、コストの低減など様々な課題に直面しています。こうした課題を解決して行くための1つのポイントは「協働」だと考えています。

-みんなでボトルリサイクルプロジェクト

山本 さや香 様

ユニリーバ・ジャパン・サービス株式会社

R&D パッケージマネジャー

▼講演趣旨

日用品業界の競合である4社(ユニリーバ、花王、P&G、LION)が日用品プラスチック容器包装の資源循環を目指す、「みんなでボトルリサイクルプロジェクト」のご紹介します。

-官民参加による環境啓発事業の取組について

平原 孝允 様

調布市 環境部 環境政策課 生活環境係 係長

▼講演趣旨

地球温暖化をはじめとする環境問題について,調布市では官民連携による環境啓発の取組を推進している。その一環として,ユニリーバ・ジャパン株式会社の協力により実施した「ボタニカルライトキャラバン」等の取組をご紹介します。


開催結果


発表の様子

<特別講演>

石川 雅紀 様
-ネットゼロ社会実現のための水平リサイクル
関根 久仁子 様
『パートナーシップで循環経済を実現しよう』~官民連携で取り組むヒント~

<事例発表>

加治木 浩則 様
自治体とのペットボトルの資源循環の取組
中川 敦仁 様
たのしくハブラシリサイクル!について
山本 さや香 様
みんなでボトルリサイクルプロジェクト
平原 孝允 様
–官民参加による環境啓発事業の取組について

アンケート集計結果

シンポジウムでは、参加者の皆様にアンケートにご協力いただいています。
「大変参考になった」「参考になった」がシンポジウム全体で合わせて100%と参加者の方々から大変好評をいただきました。

参加者の声

・今後の技術開発の参考としたいです。

・企業と行政の共同取り組みが参考になりました。

・日本の事情を加味した、サーキュラーエコノミーについての取り組み例をもっと知りたいです。

・まだなにも始めていない段階なので、参考になります。